我が家は数千万円の借金(住宅ローン)を背負っています。
一応頭金は夫婦の資金をあわせて1千万円以上入れましたが、保有していた株式等のリスク資産は無理に売却せずに保有継続しています。
もしこれを売却してローン返済にまわせば一気にローン残高を減らすことができますが、あえてそのようなことはしておりません。
そしてまとまった資金が用意できたとしても一切繰り上げ返済はせずに株式の追加買い増しを行っています。
借りたものはできるだけはやく返してしまって、心理的に楽になりたいという気持ちもなくはないんですが、今の日本における状況を冷静に判断すると、繰り上げ返済せずにリスク資産を保有し続けたほうが得な可能性が極めて高いと判断しました。
住宅ローンは繰り上げ返済しなくて良いんです!!
今回はその理由を述べたいと思います。
なお、「そもそも住宅を買うべきか、買わないべきか」という話は今回の内容には含めませんのであしからず。
【理由その1】住宅ローン控除
積極的に繰り上げ返済をしない理由の最大の理由はやはり住宅ローン控除です。
住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末の残高から1%が返ってくる仕組み(税額控除)です。
一般の住宅の場合は40万円、条件を満たした長期耐久住宅に関しては、50万円の控除を10年間にわたって受けられます。
50万円を10年間受け取ったらなんと500万円!!
住宅ローン控除は生命保険料控除や医療費控除のような「所得控除」ではなく、「税額控除」であるのがミソです。
「所得控除」は所得税を納めている金額内での控除しかできませんが、「税額控除」であれば所得税の収めている金額内では控除しきれな場合に、住民税から控除されます。
我が家も30年固定で約1%の住宅ローンで契約しておりますので、10年間は利息なしでお金を借りれている状態です。
また、居住している地区独自で「住宅購入融資利子補給制度」というものを実施している市区町村もあり、対象地区にお住まいの方はさらにお金がかえってきます。
我が家もこれのおかげで毎年けっこうな金額がかえってきています。
さらに、住宅購入時の消費税の負担の軽減が目的で導入されている「すまい給付金」というものがあり、それも活用すればさらにお金がかえってきますよ。
我が家は残念ながら年収制限にひっかかり、すまい給付金は受け取れませんでしたが(泣)
いろんな給付制度が充実していてお金を借りていたほうが得な状態です☆
【理由その2】金利の低さ
もうひとつの理由は言うまでもなく今は金利がとてつもなく低いということです。
前述のとおり、我が家は30年固定で約1%のローンを組んでいます。
こんなに安い金利で何千万円も借りれるのは住宅ローンをのぞいて普通は存在しません。
さっきプロ〇スの金利をみましたが、年利4.5%~17.8%と書かれてました。
仮に3000万円借り入れたとして、金利1%固定で30年間で返却すると考えると総返済額は3500万円程度でしょうか。
つまり500万円+手数料分が余計な費用としてかかっています。
500万円と聞くと、途方もない金額のように感じるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。
過去の歴史に従うのであれば、3000万円分投資にまわせば35年後に500万円以上の利益が出るのはほぼ間違いありません。
日本のような衰退していく国の株式はとりあえず置いておきますが、成長している国(アメリカなど)の株式の過去平均利回りから判断すると、借りれるだけ借りて投資にまわしたほうが得なのは明らかなのです。
アメリカを代表する500社の事例
例えばアメリカを代表する500社(S&P500)をまとめた商品(ETF)を購入すると、長期保有するとほぼ確実にプラス収益になることが歴史的に証明されています。
S&P500 Index Annual returns(wikipedia英語サイト)
https://en.wikipedia.org/wiki/S%26P_500_Index#Annual_returns">en.wikipedia.org
上記サイトでは1970年々以降のS&P500のリターンが掲載されています。
これによると、投資を開始したタイミングにかかわらず、5年間保有し続けた場合、概ねプラスになっているようです。
そして、15年以上保有したとすると100%プラス収益です。
さすがアメリカ株はすごいね☆
もちろんこれは過去のデータですので、将来も必ずこれが当てはまるわけではありません。
しかし、ちょっとでもマイナスになる可能性があるからといって過剰に怯えて手を出さないというのは非常にもったいないです。
たしかに5年~10年だとマイナスになることもあるかもしれませんが、住宅ローンと同じ期間で考えると、数十年という運用期間があります。
歴史に従うのであれば、数十年も運用すれば超大金持ちになれます。
インフレも進むでしょうし、資産運用の重要性は高まっていくことが考えられます。
インフレに負けない投資をすべき
インフレといえば、以前、日清オイリオの「日清キャノーラ油」と「日清サラダ油」など、家庭用食用油の価格を1キロあたり20円以上値上げするとニュースになっていました。
最近色んなものがどんどん値上げされていきますね。
はがき料金が52円から62円になり、大王製紙の「エリエール」も値上げ。
生活必需品があちこちで値上げしまくっています。
値上げはしなくても内容量が減っているものも多いです。
ネスレの「キットカット」も不二家の「カントリーマアム」もみんな大好きなお菓子がどんどん小さくなったり数が減ったりしています。
お菓子が小さくなってるのはショックです!!
これらが積み重なり、じわじわと家計にダメージを与えてきています。
日本は長らくデフレで苦しんできましたので、物価が上がっていくということ自体をイメージできない人が多いです。
特に若い世代はそうじゃないでしょうか。
私は物心ついたときから「不況」だの「デフレ」など嫌というほど聞かされてきましたし、実際、私が生きている間に急激な物価上昇を経験したことがありません。(もちろん少しずつは上がっているのですが…。)
デフレではリスク資産の収益率を低下させる一方で、名目額が目減りしない現金や預金の実質的な収益率を高めます。
よって、現金や預金を保有していることが相対的に有利な投資といえますし、企業も家庭もそれに順応してきました。
私だってそうです。
今でこそ株式にガンガンお金をつぎ込んでいますが、大学卒業後に働き始めた頃、資産の大部分は定期預金に放り込んできました。
それが正解だと信じて疑いませんでした。
インフレというのは教科書の中にだけ存在する言葉だと思い込んでました(汗)
しかし、最近は原料価格高騰、人手不足による人件費高騰、円安など、物価を押し上げていきそうな材料がゴロゴロありますので、そうしたデフレマインドははやく捨てて手を打っていかなければなりません。
これまでと同じ状態が続くとは思わないほうが良さそうです。
老後のために退職時3000万円あれば良いという主張をよくみますが、私たちが老人になる35年後くらいには、インフレの影響により5000万円とか1億円はないといけないと言われる時代になっているかもしれません。
そうなると、将来に備えた資産というのは、現金や預金として保有するよりも、やはりインフレに対応できそうなもので保有していく必要があります。
現金ばっかりを保有しているのは危険です。
現金は放っておいたらどんどん価値が低下していきますから。
私が外国株で資産運用しているのもそのためです。
自分の資産を守るため、もしくは資産を築くためには、自分でなんとかしていかなければならないのです。
あなたは下流老人になりたいですか?
なりたくないならできることを実行しましょう。
物価の大上昇は目の前まで迫ってきています。
思考停止して住宅ローンを返済しているだけでは下流老人になっちゃいますよ
【理由その3】生命保険がわりになる
そして、住宅ローンを繰り上げしない3つ目の理由が「団体信用生命保険」です。
住宅をローンを使って購入すると、住宅ローン契約者は半ば強制的に「団体信用生命保険」に加入することになります。
団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡、もしくは高度障害になった場合、本人に代わり、生命保険会社が住宅ローンの残金を全額支払ってくれる保険です。
我が家では、夫がローンの契約者になっていますので、夫に何かあったときは、住宅ローンがチャラになります。(ちょっと不謹慎な話ですが。)
これがあるので夫は生命保険に加入していません。
住宅ローンが生命保険がわりになるなんてびっくりです。
既に住宅ローンを組まれている方は一度生命保険を見直しても良いかもしれませんね。
まとめ
これまで説明したとおり、
ということを考慮すると、やみくもに繰り上げ返済をするのはいかがなものかと思います。
だからといってローン金額を大きくしすぎても月々の返済が厳しくなるだけですので、毎月の返済が困らない金額になるように頭金を入れておくことは大事です。
また、最近は、働き方改革の影響で残業代が激減し、住宅ローンを払えなくなる家庭が続出しているとニュースにもなっていますので、背伸びせずに残業代や賞与ありきの返済計画にしないことが重要です。
各家庭の財政事情によるとは思いますが、少しは投資にまわすことを検討してみても良いのではないでしょうか。
アメリカのように将来的にも成長が期待できる国に投資すれば、住宅ローン金利以上の儲けが出るはずです。
ネットを見ていると「繰り上げ返済のほうが絶対に良い」という意見が大多数を占めているようですで、一応反対意見として述べさせていただきました。